産業廃棄物の処理で使うバッカンとは?種類や使用・運搬方法を解説

2024年12月25日

更新日: 2025年01月23日

産業廃棄物を今すぐ処分するのが難しいときは、バッカンと呼ばれるものを使用します。
処分予定のものを一時的に保管できることから、多くの事業者が保有しています。
種類や量に応じてバッカンの容量や大きさを選べるため、必要な分を必要な大きさで保管できるのがメリットです。

今回は、特徴や保管ルール、運搬方法などを解説します。
大量の産業廃棄物を処理する予定の方は、ぜひバッカンについて知っておきましょう。

バッカン(産業廃棄物コンテナ)とは

バッカンとは、産業廃棄物に該当するものを保管しておく大きい容器のこと。
主に建物の建設や解体時に発生した木くずや金属くず、がれきなどを溜めておく場所になります。

多くは鉄製でできており、頑丈な造りをしているのが特徴です。
中に産業廃棄物を入れて密閉すれば、積み重ねて保管することも可能です。
繰り返し使用でき、現場で組み立てることも可能なので、大きな現場で重宝されています。

産廃廃棄物が出る度に処分業者を手配したり処理場に持ち運んだりするのは、手間もコストもかかります。
バッカンがあれば一定量に達するまで保管できるので、コストを抑えて処理できるのが利点です。

関連記事:産業廃棄物とは?種類や法的規制・処理方法など解説!

バッカンの種類

バッカンの種類には大きく「フレキイブルコンテナバッグ」と「脱着装置付コンテナ車」があります。
それぞれ特徴が異なるため、違いを見ていきましょう。

フレキイブルコンテナバッグ

フレキシブルコンテナバッグとは、化学繊維で作られた袋状の入れ物のこと。
袋状ではあるものの丈夫な素材から作られているので、廃棄物を入れても破れる心配はありません。
重量があったとしてもフレキイブルコンテナバッグそのものは比較的軽いため、持ち上がらないということも起きにくいです。

安価で入手でき、使わないときは小さく折り畳んで保管できるという点もメリットといえるでしょう。

なお、大きさとしては500×900mm〜1,300×1,550mmとバリエーション豊富です。
1トンまでの容量が主流となっているため、がれきや金属くずが多い現場でも活用できます。

脱着装置付コンテナ車

脱着装置付コンテナ車とは、四角い形をした鉄製のゴミ箱のこと。
大型トラックの後ろに、コンテナのような大きい箱を載せた車両を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
主に建設現場や工場などに出入りしており、砂利や木くずなどを大量にのせて保管します。

コンテナの大きさはさまざまで、1立方メートル〜30立方メートル以上のものもあります。
6立方メートル以上のコンテナとなってくれば、脱着装置が付いているタイプとなり、より多くの廃棄物を収集・保管することが可能です。

バッカンのサイズ

バッカンのサイズはさまざまですが、多くの事業者は1~3立米を使用しています。
廃棄物の量が多いときのことを考慮すれば、より大きいサイズを選んでおくと安心です。
容量が多ければ一度に回収できる量が増えるのはもちろん、まとめて処理できるので管理がしやすくコストも抑えられます。

バッカンの容量・大きさの目安

バッカンには、さまざまな容量・大きさが展開されています。
容量・大きさの目安は以下のとおりです。

バッカンの容量 大きさ(縦×横×高さ)
2立米 約1000mm×2000mm×1000mm
3立米 約1800mm×1800mm×900mm
4立米 約1800mm×1800mm×1200mm
6立米 約900mm×1900mm×3500mm
8立米 約1900mm×3600mm×2000mm
13立米 約1900mm×3600mm×2000mm

処理業者によって取り扱うものは異なり、同じ容量でも大きさが違うことも少なくありません。
バッカンを使用する際は、容量と大きさを確認するようにしましょう。

バッカンでの保管について

ここでは「保管可能なもの」「保管する際のルール」「注意点」について解説します。

バッカンの保管可能な産業廃棄物

バッカンで保管できる一例は、以下のとおりです。

  • ・木くず
  • ・金属くず
  • ・プラスチック
  • ・アスファルトの破片

主に建設や解体時に発生するものは産業廃棄物になるため、基本的には入れても問題ありません。
ただし、バッカンは鉄製で作られているため、液体や薬品が付着しているものを入れると腐食しやすくなります。
そのような廃棄物がある場合は、バッカン以外で保管するようにしましょう。

関連記事:産業廃棄物の保管基準とは?仮置きの保管表示や事前届出も説明!

バッカンで保管する際のルール

バッカンで産業廃棄物を保管する際は、廃棄物処理法で定められている保管基準を守りましょう。
具体的には以下の点に注意し、必要に応じて対策してください。

  • ・保管場所に囲いの設置
  • ・記載した掲示板の設置
  • ・害獣・害虫の発生対策
  • ・公共水域や地下水への汚染対策
  • ・飛散・流出・地下浸透・悪臭発散の対策
  • ・屋外で容器なしで保管する際の積み上げ高さ制限
  • ・石綿含有産業廃棄物・水銀使用製品産業廃棄物を保管する場合は他のものと混合しないよう対策

バッカンの多くは上部にフタがないため、砂や木くずなどで風で飛散するおそれがあります。
雨に濡れることで薬品が溶けて悪臭を放つ可能性もあるため、近隣に迷惑がかからないように対策が欠かせません。
防水シートを被せたり屋根のある場所に設置して保管したりと、策を考えましょう。

バッカンで保管する際の注意点

産業廃棄物を保管する用ではありますが、入れてはいけないものも存在するので注意してください。
以下に挙げる廃棄物は、別の保管方法を考える必要があります。

  • ・割れやすいもの
  • ・爆発性のあるもの
  • ・腐食性が強いもの
  • ・PCUが含まれているもの

また事業スペースで保管する場合は、設置スペースを確保できるかあらかじめチェックする必要があります。
作業や車両の出入りを邪魔しないかなど考慮しながら、バッカンのサイズを選ぶようにしましょう。

バッカンで保管するメリット

バッカンを利用する最大のメリットは、大量の産業廃棄物をまとめて保管できること。
一定量を満たすまで保管し、溜まったら処理業者に依頼したり処理場まで持ち運ぶことができれば、手間もコストも削減できます。
産廃廃棄物が出るたびに収集・運搬する必要がなくなれば、現場での作業効率がアップするだけではなく、廃棄物の管理もしやすくなります。

また頑丈な金属製で作られていることから、不法投棄される心配もありません。
バッカンを複数保有する場合でも積み重ねて保管できるため、場所を圧迫するリスクも少ないでしょう。

バッカンで運搬する方法

バッカンの運搬方法は、容量によって異なります。

小容量(1〜3立米)の場合は、トラックなどの荷台に積み重ねて運びます。
積み込み時にはフォークリフトやクレーンを使用するため、比較的スムーズに運搬可能です。

一方で大容量の場合は、バランスを崩さないように運搬する必要があるため、バッカンをしっかり固定できるコンテナシステム車両で運びます。
専用のアームを使用し、バッカンを引っかけて車両の荷台に設置します。

産廃廃棄物の種類や量によってバッカンを選ぼう

産業廃棄物を保管するときに役立つバッカン。
事業所内にあると、各現場で発生した産業廃棄物をまとめて保管しておくことが可能です。
一定量に達したら処理業者に委託、もしくが処分場まで運搬するだけなので、都度委託・運搬するよりも手間やコストを省けます。
種類と幅広い容量が展開されているため、用途にあわせて使いやすいものを選びましょう。

リビスタでは、産業廃棄物法に則った迅速かつ適正な処理を提供しております。
1都6県を対象エリアとし、お客様の状況に合わせたプランで対応させていただきます。
お見積もりは無料で承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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このコラムの監修者

設楽生人
Narihito Shitara

合同会社LIVISTA代表

弊社では『お客様へ向き合う姿勢』を大事にしております。
廃棄物をただ片付けるという単調な作業だけではなく、
サービス業であるという自覚を持ち、お客様への礼節を重んじ、
親身になって仕事を行うことを信条としており、廃棄物に関わる
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