産業廃棄物を排出する事業者には、マニフェストの交付だけでなく、年1回の報告義務が課されています。
紙マニフェストを1枚でも発行していれば、都道府県などへの報告が必要です。
本記事では、マニフェストの報告対象や提出先、違反時の罰則などを詳しく解説します。
正しい運用を行い、法令違反やリスクを防ぎましょう。
産業廃棄物管理票(マニフェスト)の報告義務とは
産業廃棄物管理票(マニフェスト)とは、廃棄物が収集・運搬・処分の各段階で適正に処理されたことを記録・追跡するための管理票です。
排出事業者は、産業廃棄物を処理業者に委託する際に、マニフェストを交付する義務があります。
さらに交付状況を年に一度、所轄の都道府県知事または政令指定都市の長へ報告しなければなりません。
ただし、電子マニフェストを全件使用している場合は、報告義務が免除されます。
提出方法は郵送・窓口への持参のほか、一部の自治体では電子申請も利用可能です。
以下では、具体的な報告内容や対象事業者について詳しく解説します。
報告内容
報告書には、おもに5つの項目を記載する必要があります。
・誰が(排出事業者名と連絡先)
・どこから(事業場の所在地と業種)
・何を(産業廃棄物の種類)
・どれくらい(排出量とマニフェストの交付枚数)
・誰に委託したか(収集運搬・処分業者の許可番号と名称)
これらの情報を基に、産業廃棄物の適正処理状況が確認されます。
添付資料やマニフェストの写しは原則不要ですが、記載ミスや不備がないよう、事前に控えを保管しておくと安心です。
報告書の書式は、自治体のサイトで取得できます。
東京都環境局|産業廃棄物管理票交付等状況報告書作成マニュアル(東京都版)
対象事業者
報告義務の対象は、前年4月1日から当年3月31日までの間に「紙マニフェスト」を1枚でも交付した排出事業者です。
交付枚数や産業廃棄物の量にかかわらず、交付実績があればすべて報告対象になります。
電子マニフェストを完全に利用している場合は不要ですが、紙で交付した実績があればその部分については報告が必要です。
報告先は排出事業者の本社所在地ではなく、廃棄物を排出した「事業場」の管轄自治体となります。
事業場が複数ある場合は、それぞれに応じた報告書の提出が必要です。
産業廃棄物マニフェストが不要になる場合
一部のケースでは、マニフェストの交付義務が免除されます。
たとえば、産業廃棄物の処理を自治体に委託する場合は、交付不要とされています。
古紙やスクラップなど「専ら物(もっぱらぶつ)」を業者に委託する場合も、交付は不要です。
再生利用認定制度や広域的処理認定制度を利用している認定業者に委託する際も、マニフェストは原則必要ありません。
ただし、マニフェストが不要でも、産業廃棄物委託契約書の作成・保管は義務付けられています。
契約内容の不備には罰則が科される可能性もあるため、慎重な対応が求められるでしょう。
産業廃棄物管理票(マニフェスト)の種類
産業廃棄物マニフェストには「紙マニフェスト」と「電子マニフェスト」の2種類があります。
紙マニフェストは複写式の伝票で、7枚つづりの票(A〜E票)を関係者間でやり取りし、処理の完了状況を紙で管理します。
一方、電子マニフェストはインターネット経由で情報を入力・送信する方式です。
紛失や記入漏れといった人的ミスを防ぎやすく、報告書の提出も不要になるメリットがあります。
さらにマニフェストの用途別には、事業系・建設系・積替保管用の3種類があります。
そのため、処理方法や排出場所に応じて使い分けが必要です。
産業廃棄物マニフェスト交付の流れ
産業廃棄物マニフェストは、廃棄物を外部の業者に委託する際、排出事業者が交付する義務があります。
交付のタイミングは、廃棄物を収集運搬業者に引き渡すときです。
紙マニフェストの場合は、A〜E票を関係業者に分配し、作業完了後には必要票を排出事業者に返送します。
排出事業者は返送票と照合し、適正処理が完了したかを確認します。
電子マニフェストでは、排出から3日以内に情報をシステムに登録し、運搬・処分業者もそれぞれ3日以内に処理状況を入力する流れです。
排出事業者は、電子通知で作業完了を把握できます。
マニフェストは、紙・電子ともに、適切な管理と保存が求められます。
産業廃棄物管理票(マニフェスト)の報告義務を怠った場合のリスク
マニフェスト制度は、産業廃棄物の適正処理を担保するために設けられた仕組みです。
排出事業者や処理業者には、報告・保存・交付など複数の義務が課されています。
これらの義務に違反した場合、罰則や措置命令が科されることも。
ここでは代表的な違反とリスクを解説します。
・委託基準違反
・報告義務違反
・保存義務違反
・マニフェストの不交付や虚偽記載
詳しく見ていきましょう。
委託基準違反
産業廃棄物の処理を外部業者に委託する際は、法令で定められた「委託基準」を遵守しなければなりません。
おもな基準には、「適正な契約の締結」と「業者の許可状況の確認」があります。
基準に反して不適正な委託を行った場合、排出事業者が不法投棄に直接関与していなくても、処理責任を問われることがあります。
違反が発覚すると、都道府県から措置命令を受ける可能性も。
悪質と判断されると、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金といった重い刑罰が科されるおそれがあります。
委託業者選定や契約内容には十分に注意を払いましょう。
報告義務違反
廃棄物処理法第12条の3第7項によって、毎年6月30日までに前年度分の「マニフェスト交付等状況報告書」を提出する義務があります。
この報告を怠った場合、行政から提出を求める勧告を受けます。
勧告にも応じない場合には、事業者名の公表や命令が行われ、最終的には1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性も。
なお、電子マニフェストを全件利用している場合は、年次報告の提出が不要です。
保存義務違反
排出事業者・運搬業者・処分業者は、それぞれが受け取ったマニフェスト票や写しを5年間保存する義務があります。
交付日や受領日を起算日として保管する必要があり、保存不備や紛失は法令違反とみなされます。
この義務を怠った場合、廃棄物処理法第27条の2第4号により、懲役1年以下または罰金100万円以下の刑事罰の対象となる場合があるので注意が必要です。
マニフェストは再発行が認められていないため、日頃から適切な保管体制を整えておくことが不可欠です。
マニフェストの不交付や虚偽記載
マニフェストを交付せずに廃棄物を引き渡す、実際と異なる内容を記載する「虚偽記載」を行った場合も、重大な法令違反となります。
不交付・虚偽記載は、排出事業者のみならず運搬・処分業者も対象となり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される場合があります。
悪質な場合には措置命令の対象となり、命令違反により重い処分を受けることも。
適正な交付・記載・確認を徹底しましょう。
まとめ:産業廃棄物管理票(マニフェスト)報告義務を遵守しよう
産業廃棄物の処理において、マニフェストの交付・報告・保存が排出事業者の法的な責任とされています。
これらを怠ると、厳しい罰則や行政処分の対象になるため、日頃からの確実な管理が不可欠です。
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