木くずとは?植木の剪定枝は産業廃棄物?定義や処理方法について解説

2024年12月25日

更新日: 2025年01月23日

産業廃棄物の種類の中に「木くず」があります。木くずと一口に言っても種類はさまざまで、すべて産業廃棄物に分類されるわけではありません。
木くずの種類や排出された場所によっては産業廃棄物以外に分類される場合もあるからです。
しかし、分類の境界線が曖昧なことから、知らずのうちに適切に処分できていない可能性も少なくありません。

本記事では、木くずの詳細や分類例、処分方法などを解説します。
基本的な知識を身につけて、適切に扱えるようになりましょう。

木くずとは?

廃棄物処理法では20種類の産業廃棄物を規定しており、木くずはそのうちの一つです。
ここで、木くずの例や造園工事業について解説します。

木くずの例

産業廃棄物における木くずの定義とは、事業活動に伴って排出されたかどうかです。
具体例としては以下のとおりです。

  • ・建設工事で発生したもの
  • ・木材・木製品製造業、パルプ業者、輸入木材卸売業から発生したもの
  • ・パルプ製造業
  • ・PCB(ポリ塩化ビフェニル)が染み込んだもの
  • ・貨物の流通のために用いたパレット
  • ・物品賃貸業(リース業)に係るもの

なお、貨物流通のために用いた木製パレットやPCUを含む木材は、業種に関係なく産業廃棄物扱いです。
ダムを管理する際に発生した流木は上記のケースに該当しないため、一般廃棄物となるので注意しましょう。

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造園工事業とは

木くずが発生する場所の一つに、造園業があります。
大きく「造園工事業」と「園芸サービス業」がありますが、どちらから出た木くずかによって産業廃棄物か一般廃棄物かが異なります。

造園工事業は、建設業の一種です。
そのため、工事で発生した枝葉や竹など産廃廃棄物に該当し、適切に処分する必要があります。

園芸サービス業とは

園芸サービスとは、庭園の植樹や花壇などをお手入れする植木屋さんや庭師さんが請け負う仕事のこと。
建設業に該当しないため、作業で排出された剪定枝や根っこなどは一般廃棄物になります。

造園工事業からでた木くずの処理

木くずの処理方法には大きく2つ種類あり、それぞれ方法が異なります。

再利用 チップ化 木くずを細かく砕いてパラパラにする処理方法。再生紙や断熱材などの材料として再利用される。
燃料化 RPF燃料と呼ばれる固形燃料として活用される。特性を活かしてセメントの作る原燃料や、ボイラー施設のバイオマス燃料として再利用されることも。
堆肥化 木くずを発酵させて堆肥にする。生ゴミや家畜糞尿などの有機系廃棄物を堆肥化するときに水分調整剤として用いる。
処分 埋め立て処理 再利用できないものは埋め立て処理を行う。有害物質が出ないように配慮する必要がある。埋め立て後も管理責任が伴う。
焼却処理 有害物質でできた廃棄物は焼却処理を行う。埋め立て処理同様、最終処分方法になる。発生する熱エネルギーを回収し、発電や温水供給などに利用することも可能。

なお、全体の約75%の木くずは再利用されています。
なるべく環境に配慮して処理されていますが、なかには有害物質を含む木くずもあります。
処理を行う際は、種類にあわせて処理方法を変えることが大切です。

造園工事業からでた木くずの処理費用

造園工事業からでた木くずの処理費用は、1立方メートルあたり10,000円〜が目安です。
現場との距離や木くずの量、時間や曜日などによって費用は変動します。
可燃物に該当する生木やパーチクルボードなどは、1立方メートルあたり10,000円〜で処分可能です。
木くずにボルトや釘などが大量についている状態で処分に出す場合は、別途費用が発生する可能性があります。
処分内容が同じでも処分業者によって異なるため、詳細はホームページを確認しましょう。

廃棄物の分類

廃棄物は大きく「産廃廃棄物」と「一般廃棄物」に分けられます。
それぞれの違いを見ていきましょう。

産業廃棄物とは

産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた20種類の廃棄物のことを指します。
なかでも木くずは指定された業種以外から排出された場合、産廃廃棄物として扱えず、一般廃棄物として扱う必要があるので注意しなければなりません。

  • ・建設現場で排出された廃木材
  • ・輸入木材の卸売に際して排出されたもの
  • ・木製家具の製造や処分で排出されたもの
  • ・PCBが染み込んだもの

また毒性や爆発性の高い木くずは産業廃棄物のなかでも特殊に扱う必要があります。

関連記事:産業廃棄物とは?種類や法的規制・処理方法など解説!

一般廃棄物とは

一般廃棄物は、家庭から排出されるゴミのこと。
生ゴミやペットボトル、金属ゴミなどをイメージしていただけるとわかりやすいかもしれません。
基本的に家から排出されたゴミは一般廃棄物扱いとなるため、お住まいの自治体のルールにしたがって分類し処分します。

  • ・流木
  • ・廃木製パレット
  • ・間伐材、伐採木そのもの
  • ・木材や家具などの木製品
  • ・梱包用の木材や枕木などの木くず
  • ・剪定枝(園芸サービス業で排出された場合)

個人で庭のお手入れをしたり庭師などに伐採を依頼したりした場合に発生した木材系は、一般廃棄物扱いとなるので覚えておきましょう。

PCBが含まれた木材の処分方法

PCB(ポリ塩化ビフェニルを含む油またはポリ塩化ビフェニルの含有物)が含まれた木くずは、危険物に該当します。
そのため、産業廃棄物のなかでも特定有害産業廃棄物として処理しなければなりません。
具体的には国が指定する処理施設において排水・排ガスを無害にしてから、焼却処理を行います。
現在や製造・輸入ともに禁止されていますが、まだまだ至るところで残っているため、処分には気をつけましょう。
また運搬時に他のゴミにPCBが付着しないように、分類して運ぶ必要もあります。

木くずの分類に迷ったら

木くずは、産業廃棄物と一般廃棄物の分類が難しい廃棄物の一つです。
適切な処理方法を実施しないと廃棄物処理法に違反するおそれがあります。
なかには事業系一般廃棄物や特定有害産業廃棄物など細かく分類されることもあるため、
ルールをきちんと理解した上で処分を依頼しなければなりません。
適切に処分するためにも、廃棄物処理法に則って対応している業者に依頼するのがおすすめです。

リビスタでは1都6県を対象エリアとし、産業廃棄物における木くずの処理サービスを提供しています。
分類や処分方法に迷ってもリビスタがサポートいたしますので安心してください。
まずは料金を知りたい場合は、お気軽に無料見積もりをご利用ください。
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このコラムの監修者

設楽生人
Narihito Shitara

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