2024年12月25日
更新日: 2025年01月09日
テナント・ビル内には、数多くの事業者が存在します。
毎日様々なゴミが発生しますが、これらは産業廃棄物に分類され、適切に処分する必要があります。
産業廃棄物は正式な手続きを踏んで処理されなければなりませんが、実際のところ誰が責任・管理しているのでしょうか。
テナント・ビルに店舗を置く人はもちろん、オーナー様も産廃廃棄物の処理についてしっかり把握しておくことが重要です。
今回は、テナント・ビルから発生した産業廃棄物の責任は誰が負うのかについて解説します。
撤去・処理する上で注意すべき内容についても触れているので、ぜひ参考にしてください。
産業廃棄物とは
産業廃棄物とは、事業活動をする中で排出されるゴミのこと。
燃えがらうあ廃油、金属くずなどが例として挙げられます。
爆発物や毒性のあるものも産業廃棄物に該当しますが、人に危害のあるものは特別管理産業廃棄物に分類され、より厳重な取り扱いが必要です。
このように産業廃棄物と一口に言ってもカテゴリーはさまざまで、境界線も曖昧であるため分類が難しいとされています。
もし産業廃棄物が排出される場所で仕事をする場合は、きちんとルールを知ることが大切です。
なお、収集や処分には特別な許可を得ている業者のみとなるため、委託する場合は許可の有無を確認しなければなりません。
また、家庭から排出されるゴミは一般廃棄物に該当するため、処分方法には注意しましょう。
基本的にはお住まいの自治体のルールに従えば問題ありません。
自治体のゴミ処理場に持ち込み、もしくは登録業者に収集依頼して処理してもらう方法があります。
テナント・ビルから出る廃棄物とは?
テナント・ビルはさまざまな会社から成り立つ建物のため、排出されるゴミは産業廃棄物として扱われます。
移転時に排出されたゴミや用品の故障などは全て産業廃棄物として処理されます。
具体的なゴミを挙げるとすると、以下のとおりです。
空調設備、冷蔵庫、電子レンジ、プリンター、デスク、チェア、ロッカー、キャビネット、パーテーション、カーペット、文房具、食器、など
消しゴムや紙切れ1枚でも、事業所から排出されれば産業廃棄物になります。
もし家庭から持ち込んだゴミを排出する場合は、事業系一般廃棄物として取り扱う必要があるでしょう。
誰が処理するのか
テナント・ビルから排出された産業廃棄物は、一体誰が処理するのでしょうか。
基本的には、テナントから出たのか共有スペースから出たのかで異なってきます。
また外部からメンテナンスにきた業者が出した廃棄物の責任も誰が負うのか知りたいところです。
ここで3つのケースを見ていきましょう。
各テナントから発生した廃棄物
各テナントの事業活動中に出された廃棄物は、それぞれのテナントが責任をもつのが一般的です。
そのため、各テナントの事業者が委託先を探して手続き・処理を行います。
共用スペースから発生した廃棄物
誰にも貸し出していない共有スペースから排出された廃棄物は、ビルの管理者が責任者となります。
実際に管理者が使用していなくても責任はもたなければならないため、きちんとした管理が必要です。
ビルのメンテナンスに伴う廃棄物
ビルでは、電気工事や清掃、塗装など定期的にメンテナンスが実施されます。
メンテナンス中に発生した廃棄物の処理責任は、施工・修理を請け負った業者が建設事業者に該当する場合、その業者が負うのが基本です。
ただし、排水管やタンクなどに溜まった汚れなどのメンテナンスで発生した廃棄物は、ビルを所有している管理者が責任を負います。
委託契約におけるビル管理会社の位置づけとは
ビル内で排出される廃棄物の処理責任は、発生場所によって異なると説明しました。
各テナント・排出事業者がそれぞれ処理業者と契約を結ぶことが一般的ですが、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の観点から見ると、効率的ではないとされています。
そこで対策として挙げられたのが「ビルの管理者に委任状を渡し、代わりに手配・事務処理をしてもらう」ということです。
施設の管理者が取り扱うことは可能か
実際のところ、ビルを管理している会社やオーナー様は、各テナントから排出される廃棄物のマニフェストが交付される際、管理者の名義で実施してもよいとされています。
つまり、ビルの管理者が各テナントから委任状を受け取れば、代理で処理業者に依頼できるのです。
正式に委託契約やマニフェストを交付・保管すれば、適正に処理された証明となります。
ただし、100店舗を超える規模のビルだった場合、各テナントからの委託契約を漏れなく受け取ることは難しいとされています。
管理会社やオーナー様は賃貸契約などの事務作業も担っていることから、廃棄物処理の委任状まで対応しきれない場合があるからです。
小規模なビルであれば入れ替わる際に委任状を受け取ればよいため、比較的対応できるといえます。
もしビルの管理者に処理業者への委託契約を委任する場合は、あらかじめ可否を確認しておきましょう。
なお、ビルの管理者に委託状を渡しても責任は免れません。
万が一廃棄物が適切に処理されなければ、排出元も処罰を受けることになるので注意しましょう。
関連記事:マニフェスト(産業廃棄物管理票)とは?利用の流れや書き方を解説
撤去・処理の注意点
テナント・ビルから排出された産業廃棄物を撤去・処理する際は、許可を得ている業者に委託しましょう。
許可のない業者が収集・処理するのは産業廃棄物法の違反となり、委託者も罰則を課せられる場合があるので注意が必要です。
業者に委託する際は、委託契約書を交わし、マニフェストの交付・保管を行ってください。
マニフェストは、産業廃棄物の適正な処理を証明する重要な書類です。
紛失すると不適正な処理が疑われる可能性があるため、きちんと保管しておく必要があります。
なお、ビルの管理者にまとめて委託することもできますが、排出事業者(業務中にゴミを発生させた)としての責任がゼロになったわけではありません。
適切に処理されなかった場合は排出事業者にも責任が問われることもあるため、処理されるまで確認を怠らないことも大切です。
廃棄物の処理責任は発生場所によって異なる
テナント・ビルの廃棄物の処理責任はどこにあるのか、きちんと把握するのは難しいかもしれません。
基本的には廃棄物が発生した場所によって責任者は異なります。
テナント・ビルの管理者に処理業者への委託をするのは可能ですが、処理責任まで転嫁することはできないので注意してください。
そのため、各事業者が廃棄物の取り扱いや処理の流れを知ることが大切です。
もし処理業者への依頼を考えている事業者様は、ぜひリビスタにご相談ください。
リビスタでは1都6県を対象エリアとし、産業廃棄物の処理サービスを提供しています。
テナント・ビルの廃棄物収集・処分にも対応しておりますので、まずは無料見積もりからお問い合わせください。
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