産業廃棄物とは?産業廃棄物の適正処処理について

2022年03月01日

更新日: 2025年04月17日

混合廃棄物

産業廃棄物とは

弊社では様々な企業様から絶えず排出される産業廃棄物を適正に処理するための許認可として、埼玉県・群馬県・東京都での産業廃棄物収集運搬許可を取得しています。

こちらでは、産廃業に係るあれこれについてお伝えしていきたいと思います。

 

「産業廃棄物収集運搬許可」がどういった許可なのかをお伝えする前に

まず、「産業廃棄物」についてお話ししてまいります。

産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物の中の、法令で定められた20種類のことを指します。事業活動によって生じた廃棄物でも、その20種類に該当していなければ一般廃棄物と分類されます。

「一般廃棄物」は「産業廃棄物以外の廃棄物」とお考え下さい。

20種類の産業廃棄物とは

■あらゆる事業活動に伴うもの
①燃え殻・・・石炭がら、焼却炉の残灰、炉清掃排出物、その他焼却残さ
②汚泥・・・排水処理後および各種製造業生産工程で排出された泥状のもの、活性汚泥法による余剰汚泥、ビルピット汚泥、カーバイトかす、ベントナイト汚泥、洗車場汚泥、建設汚泥等
③廃油・・・鉱物性油、動植物性油、潤滑油、絶縁油、洗浄油、切削油、溶剤、タールピッチ等
④廃酸・・・写真定着廃液、廃硫酸、廃塩酸、各種の有機廃酸類等すべての酸性廃液
⑤廃アルカリ・・・写真現像廃液、廃ソーダ液、金属せっけん廃液等すべてのアルカリ性廃液
⑥廃プラスチック類・・・合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくず(廃タイヤを含む)等固形状・液状のすべての合成高分子系化合物
⑦ゴムくず・・・生ゴム、天然ゴムくず
⑧金属くず・・・鉄鋼または非鉄金属の破片、研磨くず、切削くず等
⑨ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず・・・ガラス類(板ガラス等)、製品の製造過程等で生ずるコンクリートくず、インターロッキングブロックくず、レンガくず、廃石膏ボード、セメントくず、モルタルくず、スレートくず、陶磁器くず等
⑩鉱さい・・・鋳物廃砂、電炉等溶解炉かす、ボタ、不良石炭、粉炭かす等
⑪がれき類・・・工作物の新築、改築または除去により生じたコンクリート破片、アスファルト破片その他これらに類する不要物
⑫ばいじん・・・大気汚染防止法に定めるばい煙発生施設、ダイオキシン類対策特別措置法に定める特定施設または産業廃棄物焼却施設において発生するばいじんであって集じん施設によって集められたもの
■特定の事業活動に伴うもの
⑬ 紙くず・・・建設業に係るもの(工作物の新築、改築または除去により生じたもの)、パルプ製造業、製紙業、紙加工品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業から生ずる紙くず
⑭木くず・・・建設業に係るもの(範囲は紙くずと同じ)、木材・木製品製造業(家具の製造業を含む)、パルプ製造業、輸入木材の卸売業および物品賃貸業から生ずる木材片、おがくず、バーク類等、貨物の流通のために使用したパレット等
⑮繊維くず・・・建設業に係るもの(範囲は紙くずと同じ)、衣服その他繊維製品製造業以外の繊維工業から生ずる木綿くず、羊毛くず等の天然繊維くず
⑯動植物性残さ・・・食料品、医薬品、香料製造業から生ずるあめかす、のりかす、醸造かす、発酵かす、魚および獣のあら等の固形状の不要物
⑰動物系固形不要物・・・と畜場において処分した獣畜、食鳥処理場において処理した食鳥に係る固形状の不要物
⑱動物のふん尿・・・畜産農業から排出される牛、馬、豚、めん羊、にわとり等のふん尿
⑲動物の死体・・・畜産農業から排出される牛、馬、豚、めん羊、にわとり等の死体
⑳以上の産業廃棄物を処分するために処理したもので、上記の産業廃棄物に該当しないもの(例えば、コンクリート固型化物)
■以上が一般の産業廃棄物ですが、その中でも特に運搬や処理の取り扱いに注意しなければならないものが以下の「特別管理産業廃棄物」です。
・廃油・・・揮発油類、灯油類、軽油類の燃えやすい廃油
 〈事業例〉紡績、新聞、香料製造、医療品製造、石油精製、電気めっき、洗濯、科学技術研究、その他
・廃酸、廃アルカリ・・・pH2.0以下の酸性廃液、pH12.5以上のアルカリ性廃液
〈事業例〉カセイソーダ製造、無機顔料製造、無機・有機化学工業製品製造、アセチレン誘導品製造、医薬・試薬・農薬製造、金属製品製造、石油化学工業製品製造、非鉄金属製造、ガラス・窯業、科学技術研究、その他
・感染性産業廃棄物・・・感染性病原体が含まれるか、付着しているかまたは、それらの恐れのある産業廃棄物(血液の付着した注射針、採血管等)
〈事業例〉病院、診療所、衛生検査所、老人保健施設、その他
 

特別管理産業廃棄物

産業廃棄物の中でも、爆発性、毒性、感染性などの有害性を持つものは「特別管理産業廃棄物」として区別され、より厳格な管理と処理が求められます。例えば、廃PCB(ポリ塩化ビフェニル)や廃水銀などが該当します。


また、「特定有害産業廃棄物」として
廃PCB等、PCB汚染物、PCB処理物、廃水銀等及びその処理物、廃石綿等、有害産業廃棄物
というように細かく分類されています。

産業廃棄物の処理プロセス

産業廃棄物の処理は、以下のステップで行われます。

排出・分別・保管:​事業者は発生した廃棄物を適切に分類し、一時的に保管します。保管場所には囲いや看板の設置などが義務付けられています。

収集・運搬:​許可を受けた業者が廃棄物を収集し、処理施設へ運搬します。運搬の際には、積替え・保管の許可やマニフェストの管理が必要です。

中間処理:​廃棄物を分別、破砕、焼却などの方法で減量化し、次の処理段階に進めます。

再生利用:​再利用可能な資源を回収し、リサイクル施設で再資源化します。

最終処分:​再利用や中間処理が不可能な廃棄物を、安全に埋め立て処分します。

これらのプロセスを通じて、廃棄物の安全な管理と処理を実現し、環境への負荷を最小限に抑えることを目指します。

法的枠組みと規制

産業廃棄物の処理は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)」に基づき、厳格に規制されています。事業者は以下の義務を遵守する必要があります。

  • 適正処理の責任:​産業廃棄物は公共のごみ収集場に出せず、事業者が自ら処理するか、許可を受けた業者に委託する必要があります。

  • 多量排出事業者の特別義務:​大量の廃棄物を排出する事業者には、処理計画の提出や実施状況の報告など、追加の義務が課されます。

  • 輸出入の規制:​産業廃棄物の輸出入には、環境大臣の許可や確認が必要です。

詳細な規定については、環境省の公式ウェブサイトを参照してください。

参照記事:廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)

適正な処理を行うためのポイント

産業廃棄物の適正な処理を行うためには、以下のポイントが重要です。

1. 許可を持つ業者に委託する

産業廃棄物の収集・運搬や処理を外部業者に依頼する場合は、自治体の許可を取得している業者かどうかを必ず確認しましょう。不適正処理を行う業者に委託すると、事業者自身も責任を問われる可能性があります。

2. マニフェスト制度を適切に運用する

「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」は、排出から処分までの流れを記録する重要な書類です。電子マニフェストの導入を検討することで、管理の効率化や不適正処理の防止に役立ちます。

3. 分別・リサイクルを徹底する

適切な分別を行うことで、リサイクル可能な資源を最大限に活用できます。特に建設廃材や廃プラスチックなどは、再利用の余地があるため、リサイクルルートを確立することが望ましいです。

関連記事:マニフェスト(産業廃棄物管理票)とは?利用の流れや書き方を解説

4. 社内での意識向上を図る

従業員の意識改革も重要なポイントです。産業廃棄物に関する社内研修を実施し、法律の遵守や適正処理の重要性を周知することで、不適切な処理を未然に防ぐことができます。

産業廃棄物処理の未来

環境問題への関心が高まる中、産業廃棄物の処理も進化を続けています。今後は、以下のような技術や取り組みが重要になるでしょう。

  • AI・IoTを活用した効率的な廃棄物管理

    • センサー技術やデータ解析を活用し、廃棄物の排出量や処理状況をリアルタイムで監視するシステムの導入が進んでいます。

  • カーボンニュートラルの推進

    • 企業の環境負荷を低減するため、廃棄物の削減やリサイクルの促進が求められています。

  • サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現

    • 廃棄物を単なるゴミとして処分するのではなく、新たな資源として活用する「資源循環型社会」の構築が進んでいます。

まとめ

産業廃棄物の適正な処理は、環境保全だけでなく、企業の社会的責任(CSR)や法令遵守の観点からも欠かせない取り組みです。事業者は法規制を理解し、適切な処理方法を実践することで、持続可能な社会の実現に貢献できます。

今後も、テクノロジーの活用やリサイクルの推進によって、産業廃棄物処理の在り方が変化していくことが予想されます。事業者として最新の情報をキャッチし、適切な対策を講じていくことが重要です。

産業廃棄物と建設廃材の処理・回収ならリビスタ

LIVISTA

弊社は埼玉県深谷市内にある産業廃棄物収集運搬業者です。弊社では、「安心」「安全」「迅速」をモットーにお客様のニーズに応えるサービスを提供しています。弊社は以下のような特徴があります。

• 1都6県の産業廃棄物収集運搬許可を取得しており、法令順守を徹底しています。
• 24時間365日対応可能な受付体制を整えており、お客様のご都合に合わせて柔軟に対応します。
• 自社所有のトラックや重機を用いて効率的かつ安全な作業を行います。
• 大手中間処理施設にて処理を行うので、安心安全なご依頼が可能です
• お客様から頂いたマニフェスト等の書類は厳重に保管し、迅速かつ正確な報告を行います。

リビスタでは、「建設工事」「製造工場」「農林水産」「商業施設」等さまざまな分野から幅広くご依頼を承っております。
合同会社リビスタでは埼玉県、東京都を中心に1都6県のエリアにて、産業廃棄物収集運搬や残置物撤去を行っております。

廃棄物の事でお困りの方や、安く廃棄物の処理を行いたいなど、どんな事でも構いませんのでお気軽にご相談下さいませ。

お電話やメールまたは、HPの問い合わせフォームからもお問合せ可能でございます。

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このコラムの監修者

設楽生人
Narihito Shitara

合同会社LIVISTA代表

弊社では『お客様へ向き合う姿勢』を大事にしております。
廃棄物をただ片付けるという単調な作業だけではなく、
サービス業であるという自覚を持ち、お客様への礼節を重んじ、
親身になって仕事を行うことを信条としており、廃棄物に関わる
『プロ』として時代のニーズに合わせ、お客様のご不安を取り除き、安心してお任せ頂ける企業を目指しております。
不用品や廃棄物の事でお困りの際は是非弊社へご相談下さい。
私達リビスタはお客様にとっての『最良』を、ご提案できるようにこれからも努力し続けます。

<保有資格>

  • 遺品整理士
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