マニフェストが不要な場合とは?必要なものや制度の流れも紹介!

2024年12月25日

更新日: 2025年03月19日

産業廃棄物を処理する場合、マニフェストと呼ばれる書類を発行・保管する必要があります。
基本的に産業廃棄物を処理する場合必要となる書類ですが、場合によっては不要になるケースもあります。
産業廃棄物を処理業者に委託する場合は、マニフェストの有無をきちんと確認するようにしましょう。

そのためにも本記事で不要となるケースを把握してください。
なお、不要であっても必要となる書類は存在するため、そちらもあわせて確認しましょう。

マニフェストとは?

マニフェストとは、産業廃棄物を収集・処分する際に交付される「産業廃棄物管理票」のこと。
適正に処分されているかを確認するための重要な書類で、廃棄物の種類や量、排出元などを詳細に記載しなければなりません。
管理票の交付は法律で義務付けられているため、必ず作成・交付しましょう。

管理票なしに廃棄処分した場合は違反となり、罰則が課せられるので注意してください。

関連記事:電子マニフェストは義務化されている?その対象とは

なぜマニフェストが必要なのか

産業廃棄物を扱うにあたり、管理票は重要な役割をしています。
1つ目は、責任の具体化。
排出元である事業者が責任をもって適切に処理手続きを行わなければなりません。
自社で廃棄処理できない場合は処理業者に委託することになりますが、責任転嫁はできません。
処理業者が正しく廃棄処理できているかを確認することも、排出元の役目です。
もし適切に処分されていなかった場合は、排出事業者も責任を問われるので注意しましょう。

2つ目は、不法投棄の予防。
処理業者の中には不法投棄をする場合もあります。
マニフェストがあれば処理方法はもちろん、最終処分を行う場所の住所まで記載しなければならないため、悪質な対応を未然に防げるのです。
このようなリスクも踏まえてマニフェストの交付が義務付けられているので、きちんと対応してくれる処理業者に委託しましょう。

関連記事:産業廃棄物管理票(マニフェスト)の必要性について

マニフェストが不要なケースとは

ここでは、交付がなくても問題ない場合を紹介します。

排出事業者が産業廃棄物を自ら処理する場合

産業廃棄物を出した者が自ら処理する場合、マニフェストは不要です。
ただし、処理から最終処分まで一貫して行えるケースに限ります。
仮に最終処分だけ専門業者に委託した場合、管理票は必要になるので注意しましょう。

市町村や都道府県に産業廃棄物の処理を委託する場合

自ら処理業者を探すのではなく、市町村や都道府県に処理を委託する場合、マニフェストがなくても問題ありません。
全ての市町村や都道府県が産業廃棄物の処理を行えるわけではありませんが、対応できる場合は委託が可能です。

再生利用認定制度の認定を受けた業者に委託する場合

処理業者の中には、再生利用認定制度の認定を受けた業者が存在します。
環境大臣から認定を受けている再生利用認定業者に委託する場合は、管理票がなくても罰則がありません。
対応できる産業廃棄物に限りがあり、廃ゴム製品や廃肉骨粉などが対象のため、あらかじめ確認しておきましょう。

広域的処理認定制度の認定を受けた業者に処理を委託する場合

生利用認定制度の認定を受けた業者と同じく、環境大臣から広域的処理認定制度の認定を受けた業者に委託する場合も、マニフェストの交付は不要です。
対応できる産業廃棄物は、パソコンや消火器などになります。

都道府県知事の支持を受けた業者に処理を委託する場合

都道府県知事の指示によって産業廃棄物の処理を行う業者に委託する場合も、管理票は必要ありません。

専ら業者へ処理を依頼する場合

専ら物(もっぱらぶつ)とは、古紙や空きビン類、古繊維、くず鉄などのこと。
これらを処分する場合は許可がなくても問題ないため、マニフェストは不要です。
ただし、処理委託契約者は必要になります。

運搬用パイプラインなどの処理施設を用いる業者に委託した場合

運搬用パイプラインなど処理施設に直結している場所を用いる業者に委託する場合も、交付は必要ありません。

湾岸管理者・漁港管理者に廃油処理を委託する場合

きちんと許可を得ている廃油処理を行っている湾岸管理者・漁港管理者に委託する場合、交付は免除されるため用意しなくても必要ありません。

関連記事:産業廃棄物の再委託は禁止されている?例外や再委託の基準と手順を解説

マニフェストが不要な場合も必要なもの

ここでは、マニフェストが不要な場合でも必要となるものについて解説します。
必要なものを把握して、漏れのないように処理手続きを行いましょう。

「産業廃棄物委託契約書」

マニフェストの交付が不要でも、業者に処理を委託する場合は「産業廃棄物委託契約書」の締結は必要です。
マニフェストと産業廃棄物委託契約書は別物で、委託する場合はどのような状況であっても必要になるので覚えておきましょう。
なお、産業廃棄物委託契約書に記載漏れや虚偽の内容があった場合、排出事業者に罰則が課せられるので、内容はしっかりチェックしてください。
産業廃棄物委託契約書やその他の書類は、保管期間が設けられており、契約終了後から5年間の保存が必要です。

関連記事:産業廃棄物とは?種類や法的規制・処理方法など解説!

「到着時有価物」はマニフェストの交付が必要

産業廃棄物の収集・処分する業者が現場に到着した際、有価物に該当するものがあった場合はマニフェストの交付が必要になります。
到着時有価物を取り扱う際、排出先から処分先までの輸送中は産業廃棄物として扱われるため、原則交付が必要になるのです。

なお有価物とは、金銭的価値のあるもののこと。
市場で価値をもち、売買や再利用できるものを指します。

マニフェスト制度の流れ

マニフェスト制度とは、適切に産業廃棄物が処理されているのか確認するための公的な制度です。
主に排出事業者と処理業者が交わした契約内容をもとに、廃棄物の収集から最終処分まで細かく記載・管理します。
具体的な流れは以下のとおりです。

運用の方法

マニフェストの基本的な運用方法は、3つの段階に分かれます。

  1. 1.交付:種類・運搬車・運搬先ごとに交付
  2. 2.返送・確認:返送されたマニフェストを一定期間内に確認
  3. 3.保管:紛失しないように保管

 

交付と保管については、この後詳しく解説します。

マニフェストの交付

交付は、産業廃棄物を引き渡すタイミングで実施します。
引き渡し時には記入済みの状態にしておく必要があるため、あらかじめ必要事項を記入しておきましょう。
交付日は引き渡し日に該当するため、間違えないように記入してください。

マニフェストの保管

マニフェストの保管は、交付した日または送付を受けた日から5年間保存しなければなりません。
これは廃棄物処理法で定められている義務です。

紛失した場合

どのような理由であってもマニフェストを紛失した場合は、廃棄物処理法違反となります。
そのため、保管方法には十分注意しなければなりません。

ただし、委託先の収集運搬業者・処分業者が保管している伝票コピーをマニフェストの代用として使用することも可能です。
紛失した場合は、まず委託先の業者に問い合わせてみましょう。

罰則

交付しなかったり虚偽の内容を記載していたり保管をしていなかったりする場合は、違反とみなされ罰則が課せられます。
罰則の内容としては、1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

もし許可や資格を保有していない産業廃棄物収集・処理業者に委託してしまった場合は、「委託基準違反」に該当し、最大で5年以下の懲役または1000万円以下の罰金、その両方が課せられる場合があるので注意しましょう。

マニフェストの書き方

ここでは、マニフェストの書き方について解説します。
基本的には用紙の記入欄を埋めていけば問題ありませんが、記入漏れがあると不適正な処理を行ったとなるため、不備の内容に記入していきましょう。

  • ・交付年月日・交付番号
  • ・運搬・処分を委託した者の氏名・住所
  • ・排出事業者の名称・住所
  • ・マニフェストの交付を担当した者の氏名
  • ・運搬・処分を引き受けた者の氏名
  • ・運搬先の名称・住所
  • ・有害物質の名称
  • ・産業廃棄物の種類や量など
  • ・産業廃棄物の荷姿
  • ・最終処分を行う場所の住所
  • ・処分方法
  • ・業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合はその数量
  • ・中間処理産業廃棄物(必要に応じて)

産業廃棄物を処理する際はマニフェストは必須

基本的に、産業廃棄物を処理する際はマニフェストの交付が必要です。
しかし例外として、今回紹介した不要なケースに該当する場合は、マニフェストがなくても罰則を受けることはありません。
不要なケースであっても添付する書類は存在するため、漏れのないように対応していきましょう。

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このコラムの監修者

設楽生人
Narihito Shitara

合同会社LIVISTA代表

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サービス業であるという自覚を持ち、お客様への礼節を重んじ、
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