動物の死体は産業廃棄物としてどう処理される?取り扱いや委託の流れを解説

2025年06月25日

更新日: 2025年06月27日

ペットの突然の死や、事業活動で発生した動物死体など、処理方法に戸惑う方は少なくありません。

法規制に基づき、適切な処理を行うためには、専門的な知識が必要です。

この記事では、動物の死体の取り扱いや委託先の選定、処理の流れまで重要なポイントを解説します。

安心して手続きを進めるためにも、ぜひ最後までご覧ください。

動物の死体は産業廃棄物扱いになる?

動物の死体のうち、畜産業やと畜場などの事業活動に伴って生じたものは「産業廃棄物」として分類されます。

産業廃棄物の区分は20種類あり、動物由来のものは以下4つに分類されます。

動物由来の産業廃棄物
動物の死体 畜産農業から排出される牛、馬、豚、めん羊、山羊、にわとりなどの死体
動物系固形不要物 と畜場において処理された獣畜(牛、馬、豚、めん羊、山羊、にわとりなど)の骨、皮、内臓などの固形状の不要物
動物のふん尿 畜産農業から排出される牛、馬、豚、めん羊、山羊、にわとりなどの動物のふん尿
動植物性残さ 食料品の製造業、農畜水産物の加工業、または市場における野菜くず、果実くず、穀物くず、魚介類のかす、その他の動植物性の不要物

これらの区分は、それぞれの廃棄物の特性に応じた適切な処理方法や保管方法を定めるために設けられています。

なお、家庭で飼育されていたペットの死体は、一般廃棄物として扱われるのが一般的です。

研究所で飼育している動物やペットショップ、動物病院などで死亡した動物の死体も同様です。

ただし、自治体によって取り扱いのルールが変わる場合もあり、注意が必要です。

産業廃棄物としての動物の死体の取り扱い

動物の死体および動物から生じた産業廃棄物は、感染症や悪臭の発生など、公衆衛生上のリスクが高い特徴があります。

家畜の死亡時には、伝染病の疑いの有無を確認し、疑わしい場合は速やかに家畜保健衛生所へ報告しなければなりません。

廃棄物処理法に則ってマニュフェストの交付や管理を適切に行うことはもちろん、病原体の確実な不活化と悪臭や害虫の発生を防ぐため、とくに厳格な取り扱いが必要です。

産業分野で発生する動物死体の処理方法

畜産や食肉加工といった産業は、私たちの食生活を支える上で不可欠です。

各産業分野において動物の死体がどのように処理されるか、それぞれ解説します。

畜産業界での動物死体の対応

畜産業界では、牛、豚、鶏などの家畜の病気、事故、または自然死などにより動物の死体が発生します。

これらの死体は、家畜伝染病予防法や化製場等に関する法律、廃棄物処理法などに基づき、適切に処理しなければなりません。

一般的な処理方法としては焼却が多く、場合によっては埋却、レンダリング、堆肥化などが行われます。

焼却によって生じた灰は埋立されるか、リサイクルに活用されるケースもあります。

なお、食用加工や都道府県の知事から許可を受けた場合を除いて、死亡獣畜の解体や焼却、埋却を死亡獣畜取扱場以外の施設または区域で行うことは認められていません。

所有している農場内であっても、無許可での焼却や埋却、堆肥化はできない点に注意しましょう。

食肉業界で発生する廃棄物の処理方法

食肉加工場で発生する骨、内臓、皮などの固形廃棄物の多くは、レンダリングという処理方法で再資源化されます。

レンダリングとは、これらの廃棄物を高温・高圧で加熱処理し、油脂分とタンパク質を分離・回収する技術です。

回収された油脂は工業用や飼料用、タンパク質はおもに動物飼料の原料として利用され、廃棄物の有効活用に大きく貢献しています。

なお過去には、牛の固形不要物を再利用し、肉骨粉にしたものが家畜の飼料として再利用されていたことがありました。

しかし、2001年にBSE(牛海綿状脳症)と呼ばれる重大な感染症が国内で発生し、これを契機に、飼料規制や検査体制が整備されています。

特定の部位や、レンダリングに適さないと判断された廃棄物は、基本的に焼却処理が選択されます。

処分時に遵守すべき法律

動物の死体を適切に処理しない場合、厳しい罰則が科される可能性があります。

産業廃棄物として動物の死体を扱う際は、以下の法律について十分な理解を深めましょう。

・廃棄物処理法
・家畜伝染病予防法

それぞれ解説します。

廃棄物処理法

廃棄物処理法は、廃棄物の適正な処理と生活環境の保全、資源の有効な利用を目的に定められた法律です。

産業廃棄物である動物の死体は、この法律に基づき、定められた基準に従って保管、収集、運搬、処分されなければなりません。

違反した場合、罰金や懲役といった罰則が科せられることがあります。

家畜伝染病予防法

家畜伝染病予防法は、家畜の伝染病の発生と蔓延を防止し、畜産業の健全な発展を図ることが目的の法律です。

家畜が死亡した場合、その原因が伝染病によるものではないかを確認し、疑いがある場合は速やかに都道府県の家畜保健衛生所に届け出なければなりません。

伝染病の発生時には、移動制限や殺処分、法律で定められた方法による死体の処理が指示されます。

伝染病を蔓延させるような行為を行った場合や、届け出を行った場合は罰則が科せられる可能性があります。

動物の死体を産業廃棄物業者へ委託する際の流れ

産業廃棄物として動物の死体処理を委託する際、一般的には以下のような流れで実施します。

1.産業廃棄物処理業者の選定
2.委託契約の締結
3.産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付
4.動物の死骸の引き渡し・収集運搬
5.マニフェストの回付と保管
6.処理費用の支払い

不適切な処理は、環境汚染や感染症のリスクを高めるだけでなく、法的な罰則の対象となる可能性もあります。

許可業者との適切な契約のもと、関連法規を遵守した手続きを行いましょう。

一般的な動物死体の処理手続きと方法

個人が飼育していたペットの死体や、自然死した野生動物などは、基本的に一般廃棄物として扱われます。

以下のケース別に、具体的な処理手続きや方法を解説します。

・自宅でペットが亡くなった場合の対応
・屋外で動物の死体を見つけたときの対応

それぞれ見ていきましょう。

自宅でペットが亡くなった場合の対応

自宅で大切していたペットが亡くなった場合、その悲しみは計り知れません。

法律上の取り扱いとしては、ペットの死体は一般廃棄物に分類されるのが通常です。

事業活動に伴って排出される産業廃棄物とは異なり、家庭から排出される廃棄物としての扱いになります。

しかし、動物霊園事業において取り扱われる動物の死体は、廃棄物に該当しないとの見解が示されています。

参考:動物霊園事業に係る廃棄物の定義等について

社会通念上の観点からも、飼い主がペットの死体を「埋葬」や「供養」する場合、廃棄物には該当しないとする考え方が一般的です。

ペットが亡くなった場合のおもな対応は、以下のとおりです。

・民間のペット葬儀業者に依頼する:個別火葬や合同火葬、立会、納骨、供養など意向に沿ったプランを選べる
・自治体に引き取りや火葬を依頼する:比較的安価に依頼できるが、一般的に個別火葬や遺骨の返還はされない
・自宅の庭に埋める:費用は発生せず法律上の問題点も少ないが、衛生面や近隣への配慮が必要

それぞれの方法を比較し、後悔のない選択肢を選んでください。

屋外で動物の死体を見つけたときの対応

屋外で動物の死体を発見した場合、感染症のリスクを避けるためにも、むやみに触れたり、安易に移動させたりすることは避けましょう。

屋外で動物の死体を見つけた場合、場所によって適切な相談先が異なります。

・公園などの公共の場所:自治体
・道路上:道路緊急ダイヤル
・個人の所有地:土地の管理者

発見場所や動物の種類、死体の状態などをできるだけ詳しく伝えましょう。

まとめ:動物の死体を廃棄するときは法律遵守を心がけましょう

畜産業や食肉加工業などから生じる動物の死体は産業廃棄物として扱われ、法律に基づいた厳格な処理を行わなければなりません。

「合同会社LIVISTA」では、正しい知見に基づき、産業廃棄物や不用品の収集、運搬、処分を行っています。

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このコラムの監修者

設楽生人
Narihito Shitara

合同会社LIVISTA代表

弊社では『お客様へ向き合う姿勢』を大事にしております。
廃棄物をただ片付けるという単調な作業だけではなく、
サービス業であるという自覚を持ち、お客様への礼節を重んじ、
親身になって仕事を行うことを信条としており、廃棄物に関わる
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