産業廃棄物の金属くずとは?鉄くず(鉄スクラップ)との違いや処理方法を解説

2025年06月26日

更新日: 2025年06月27日

産業廃棄物の金属くずの処理方法でお悩みの方も多いのではないでしょうか。
建設現場や工場から発生する金属くずは、適切に処理しなければ法令違反となりかねない一方、有価物として買取ってもらえるケースもあります。
しかし、金属くずと鉄くず(鉄スクラップ)の違いや、産業廃棄物として処理すべきか、有価物として売却できるかの判断は複雑です。

本記事では、産業廃棄物の金属くずの定義から種類・処理方法、信頼できる処理業者の選び方までを解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、金属くずの適正処理とコスト削減にお役立てください。

産業廃棄物の金属くずとは?

事業活動によって生じる金属製の廃棄物全般を指します。
建設現場での鉄骨解体や製造工場での金属加工など、さまざまな場面で発生する金属くずは、適切な処理が求められる重要な廃棄物です。

ここでは、以下3つの観点から解説します。

・金属くずの定義と法的な位置づけ
・金属くずと鉄くず(鉄スクラップ)との違い
・金属くずは有価物として買取ってもらえる?

それぞれ見ていきましょう。

金属くずの定義と法的な位置づけ

金属くずとは、建築現場や工場などから排出される、鉄やアルミなどの金属製品の破片や廃材を指します。
法律上は産業廃棄物の一種に分類され、適切な処理を行わないと罰則の対象になることも。
具体的には「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)」に基づき、排出事業者に適切な処理責任が求められています。

産業廃棄物として扱われる場合は、マニフェスト(管理票)の交付など、書類上の手続きを厳格に行う必要があります。
こうした法的な位置づけを理解しておくと、違反リスクやトラブルを未然に防ぎやすくなるでしょう。

金属くずと鉄くず(鉄スクラップ)との違い

金属くずはあらゆる種類の金属を含んだ廃材を広く指す言葉です。
鉄くず(鉄スクラップ)はその中でも鉄や鋼を含むものに特化した呼び方です。
鉄くずの場合はリサイクル時に溶解して再利用できるため、市場での需要が比較的安定している点が特徴といえます。

一方、アルミやステンレスなど非鉄金属を含む廃材は鉄くずに含まれず、別途に分類されることが多いです。
ただし、現場ではこれらが混在して排出されるケースもあり、その際は正確な分別を行わないと、処理費用やリサイクルの効率が下がります。

金属くずは有価物として買取ってもらえる?

金属くずの中には、有価物として買取ってもらえるケースがあります。
とくに鉄くずや非鉄金属(アルミや銅など)は、市場相場によって値段が変動しながらも安定した需要があります。

ただし、すべての金属くずが対象というわけではありません。
汚れや混ざり物が多い、品質のばらつきが大きいといった理由で価値が下がり、産業廃棄物として処分費用が発生する場合もあります。
適切に分別やクリーニングを行えば、処分コストの削減につながる可能性が高まります。

金属くずの種類や分類</

金属くずは、その材質や発生源によってさまざまな種類に分類されます。

ここでは、以下4つの分類を説明します。

・鉄くず(鉄スクラップ)のおもな分類
・非鉄金属くず(アルミや銅など)
・各種スクラップ(建築系や自動車系・機械系ほか)
・ドラム缶やネジ・ビス屑など小型スクラップ

これらの分類を理解することで、金属くずの適切な処理と有効活用が可能になります。

鉄くず(鉄スクラップ)のおもな分類

おもに建築現場や自動車関連の解体工程で多く発生し、鉄骨材や鉄筋・車体の骨格などが代表的です。
これらは再利用価値が高いため、素材ごとに分けて回収・リサイクルされています。
建築系スクラップはH形鋼や鉄筋、軽量形鋼などに分かれます。
自動車スクラップはフレームやエンジン、ボディパネルなどが含まれることが多いです。

また、工作機械や工具類の廃材も鉄くずに分類されるケースがあり、それぞれ硬度や厚みが異なります。
こうした性質の違いを見極めることで、リサイクル工程をスムーズに進め、買取価格を最適化できるのが特徴です。
大量排出が想定される場合は、業者と連携してスムーズに処理しましょう。

非鉄金属くず(アルミや銅など)

鉄以外の金属で構成された廃材を指します。
アルミや銅、ステンレス・真ちゅうなど、軽量かつ腐食に強い金属が多い点が特徴です。
たとえばアルミ製の建材や飲料缶、銅製の配管や電線、ステンレス製のシンクや厨房機器など、用途も幅広いです。

こうした非鉄金属は溶解して再加工でき、鉄くず以上に高価買取が期待できるケースがあります。
ただし汚れがひどかったり、ほかの金属と混ざり合っていたりすると価値が下がるため、分別や洗浄の手間が必要です。
廃棄物の種類を見極めたうえで、専門業者へ相談するとスムーズに手続きを進められます。

各種スクラップ(建築系や自動車系・機械系ほか)

建築系スクラップには、解体工事などで出る梁や柱などの大型鋼材、金属製の屋根材や外装材が含まれます。
自動車系スクラップはエンジンや足回り部品、フレーム部分、ドアやボンネットなどの車体パーツが代表的です。

機械系スクラップは工場で使われていた生産装置や工作機械の一部が多く、硬度の高い鋼材や精密部品が含まれていることがあります。
それぞれ再利用価値や取り外しの手間が異なるため、専門知識が欠かせません。
実際の材質や形状によって、リサイクル費用が変わる点に注意が必要です。

ドラム缶やネジ・ビス屑など小型スクラップ

ドラム缶は液体や粉体を保管するための大型容器で、使い終わって不要になったものは金属くずとして扱われます。
中に付着した残留物によってリサイクル処理前に洗浄や乾燥が必要な場合があり、その手間や費用が査定額に影響することも。

一方、小型スクラップとして代表的なネジやビス屑は、微量でも積み重なると重量が増え、一定の価値を生む可能性があります。
ただし、ほかのゴミや汚れと混ざってしまうと分別が難しくなるため、実質的には産業廃棄物として処分せざるを得なくなることも珍しくありません。

金属くずの処理方法

金属くずの処理方法は、大きくリサイクル処理と埋立処理に分けられます。ここでは、以下3つの側面から、適切な処理方法を紹介します。

・リサイクル処理(金属回収や精錬)
・埋立処理(必要なケースと注意点)
・処理方法選択の判断基準

詳しく見ていきましょう。

リサイクル処理(金属回収や精錬)

金属くずの資源価値を最大限にいかすための方法です。

回収した金属を選別したうえで溶解し、新たな製品の原料として再利用します。
鉄くずやアルミ、銅などはリサイクル工程が確立されており、高い循環率が期待できるのが特徴です。

処理業者やリサイクル施設では、材料の合金成分や品質に応じて仕分けを行い、効率的に溶解できるよう調整します。
また、汚れや異物が混入していると作業がスムーズに進まず、コストが上昇する場合も。
そのため、排出段階での分別や洗浄がリサイクル効果を高める鍵となります。

埋立処理(必要なケースと注意点)

リサイクルが難しい金属くずや、汚れが著しく再利用価値の低いものを最終的に処分する方法です。
たとえば、化学物質が付着している金属くずや、形状的に分別できず処理の手間がかかりすぎる廃材などが該当します。
ただし、埋立地は限られた資源であり、その利用には自治体や国が定める厳格な基準や許可が必要です。

もし適切な手続きや分別を怠ってしまうと、違法投棄として罰則の対象になるリスクも。
環境への負荷を考慮する必要があるため、可能な限りリサイクル処理と併用して資源の有効活用を図ることが望ましいです。

処理方法選択の判断基準

金属くずの処理方法を選ぶ際には、まず素材の価値や再利用のしやすさを見極めることが重要です。リサイクルが可能なものは、分別や洗浄に多少の手間や費用がかかったとしても、長期的に見るとコスト削減や環境負荷低減につながりやすいでしょう。

一方、汚染が激しく分解が難しい金属くずは、最終的に埋立処理を行うしかない場合があります。
現場のスペースや作業環境によっては大量の廃材を一時的に保管する余裕がないケースもあり、スケジュールも判断基準の1つといえます。

金属くずの処理業者の選び方

金属くずを適切に処理するためには、信頼できる業者選びが欠かせません。
回収からリサイクル、埋立処理まで一貫して任せるケースも多く、業者によって対応力や得意分野はさまざまです。

ここでは、以下3つを紹介します。

・産業廃棄物の回収実績を確認する
・許可を得ている業者に依頼する
・契約内容を確認する

それぞれ見ていきましょう。

産業廃棄物の回収実績を確認する

金属くずを大量に排出する現場では、スピーディーかつ安全に回収できるかが重要です。
実績が豊富な業者は、現場ごとの特有の事情を理解している可能性が高く、突発的なトラブルにも柔軟に対応しやすいといえます。
また、過去の事例を具体的に提示できるかどうかも判断のポイントです。

こうした実績面を確認すれば、作業の効率化だけでなく、法令順守や周辺への配慮といった面でも安心して依頼できます。
実際に問い合わせる際は、具体的な回収プランや以前の実例を聞き出すと、より適切な業者を見極めやすくなるでしょう。

許可を得ている業者に依頼する

「産業廃棄物収集運搬業」や「産業廃棄物処分業」の許可番号がきちんと発行されているかを確認しましょう。
許可がないまま回収や処分を行うと、違法行為とみなされるおそれがあり、排出事業者である依頼者側も責任を問われるリスクがあります。

さらに、自治体ごとに異なる基準やルールがあるため、業者が活動エリアにおける許可を得ているかも重要です。
法令順守を徹底している業者であれば、マニフェスト(産業廃棄物管理票)の発行や書類管理などもスムーズに行うため、安心して任せやすくなります。

契約内容を確認する

金属くずの回収方法や責任区分、万が一の破損や事故が起きた際の対応などが明記されているかを確認しましょう。
追加費用の発生条件や支払いスケジュールも事前に合意をとっておくと、あとから思わぬ出費に戸惑うリスクを減らせます。

マニフェストの作成や提出がどのような流れで行われるのか、書類管理は業者側が一括して行うのかなど、法令順守に関わる点も押さえる必要があります。
安心して依頼できるよう、契約書の条項や補足説明に疑問があれば遠慮せず確認することが大切です。

まとめ:産業廃棄物の金属くずなら合同会社LIVISTAにおまかせを!

鉄くずや非鉄金属くずなど種類を正しく理解し、信頼できる許可業者に委託することが、法令遵守とコスト削減の両立につながります。

合同会社リビスタでは、建物の建設や解体などで生じた混合廃棄物をはじめ、さまざまな廃棄物に対応。1都6県(東京・埼玉・千葉・神奈川・群馬・栃木・茨城)で産業廃棄物処理を行っており、法令に則り迅速かつ適正な回収・処分を実施しています。

産業廃棄物と建設廃材の処理・回収ならリビスタ

LIVISTA

弊社は埼玉県深谷市内にある産業廃棄物収集運搬業者です。弊社では、「安心」「安全」「迅速」をモットーにお客様のニーズに応えるサービスを提供しています。弊社は以下のような特徴があります。

• 1都6県の産業廃棄物収集運搬許可を取得しており、法令順守を徹底しています。
• 24時間365日対応可能な受付体制を整えており、お客様のご都合に合わせて柔軟に対応します。
• 自社所有のトラックや重機を用いて効率的かつ安全な作業を行います。
• 大手中間処理施設にて処理を行うので、安心安全なご依頼が可能です
• お客様から頂いたマニフェスト等の書類は厳重に保管し、迅速かつ正確な報告を行います。

リビスタでは、「建設工事」「製造工場」「農林水産」「商業施設」等さまざまな分野から幅広くご依頼を承っております。


合同会社リビスタでは埼玉県、東京都を中心に1都6県のエリアにて、産業廃棄物収集運搬や残置物撤去を行っております。

廃棄物の事でお困りの方や、安く廃棄物の処理を行いたいなど、どんな事でも構いませんのでお気軽にご相談下さいませ。

お電話やメールまたは、HPの問い合わせフォームからもお問合せ可能でございます。

お見積もりは完全無料ですので、金属くずの処理でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。

産業廃棄物処理についてはこちら
建設・建築廃材処分についてはこちら

産業廃棄物・建築廃材回収の対応エリア

関連記事

このコラムの監修者

設楽生人
Narihito Shitara

合同会社LIVISTA代表

弊社では『お客様へ向き合う姿勢』を大事にしております。
廃棄物をただ片付けるという単調な作業だけではなく、
サービス業であるという自覚を持ち、お客様への礼節を重んじ、
親身になって仕事を行うことを信条としており、廃棄物に関わる
『プロ』として時代のニーズに合わせ、お客様のご不安を取り除き、安心してお任せ頂ける企業を目指しております。
不用品や廃棄物の事でお困りの際は是非弊社へご相談下さい。
私達リビスタはお客様にとっての『最良』を、ご提案できるようにこれからも努力し続けます。

<保有資格>

  • 遺品整理士
  • 産業廃棄物物適正管理者
  • 運行管理者
  • 自動車整備士
  • 石綿作業責任者
お気軽に
お問い合わせください