産業廃棄物の適切な処理には、専門の収集運搬車が欠かせません。
これらの車両は、廃棄物を安全に収集し、運搬するために設計されているためです。
この記事では、産業廃棄物収集運搬車の種類やそれぞれの役割、法令で定められた義務を解説します。
産業廃棄物の処理を考えている方や、環境保護に関心のある方は、参考にしてください。
産業廃棄物収集運搬車とは
廃棄物を安全かつ効率的に収集し、運搬するために特別に設計された車両です。
これらの車両は廃棄物処理業者が使用するもので、種類や状態に応じて廃棄物を適切に運搬します。
たとえば、廃棄物が漏れたり飛散したりしないように設計されており、環境への影響を最小限に抑える役割を果たしています。
また、法令に基づいて特定の義務を遵守し、適正な処理が保証されるため、産業廃棄物の管理には不可欠です。
産業廃棄物収集運搬車の種類
各車両は、運ぶ廃棄物の種類や形状に合わせた特徴をもち、それぞれの用途に応じて選ばれます。
以下8種の車両は特性を活かして産業廃棄物を収集運搬し、環境負荷を軽減しつつ効率を高める役割を果たしています。
・ダンプ車
・クレーン車
・アームロール車
・パッカー車(塵芥車)
・コンテナ車
・タンクローリー車
・バキューム車
・チップ車
それぞれの車両の詳細を知り、適切に選択し依頼しましょう。
ダンプ車
油圧シリンダーを使って荷台を傾けることで積荷を降ろせる車両です。
建設現場や解体現場でよく活躍し、おもに土砂やコンクリート片・がれき・廃プラスチック・金属くずなどの固形物を運搬します。
積載量が多く、運搬コストが安いのが特徴です。
荷台は耐久性が高く作られており、積荷を安全に運搬するための工夫が施されています。
産業廃棄物の収集運搬において多様な用途に対応できるため、さまざまなシーンで活躍します。
クレーン車
動力によって重い荷物を吊り上げ、移動させるための装置を搭載した車両です。
おもに建設現場で排出される鉄骨や金属加工くず、足場材などの重い産業廃棄物を運搬する際に使用されます。
なお、荷物を高所から安全に降ろすためには、精密な操作が求められます。
車両のサイズやクレーンの能力によって、運搬可能な荷物の種類や量が異なるため注意が必要です。
運転には資格が必要で、荷物の重さによって種類が異なります。
アームロール車
油圧式のアームを使用してコンテナの積み下ろしを行う車両です。
工場や建設現場にコンテナを設置し、廃棄物が満杯になったらアームロール車で運び出すことが可能です。
おもに廃プラスチックや金属くず、がれきなどを運搬します。
最大の特徴は、荷台が脱着式のため、さまざまな形状の廃棄物を効率よく運搬できる点です。
廃棄物の種類によってコンテナを使い分けられるため、運搬の効率を高められます。
パッカー車(塵芥車)
廃棄物を圧縮して運搬する機能を有する車両です。
廃プラスチックや紙くず、繊維くずなどを収集し圧縮して運搬することで、効率的にスペースの利用が可能です。
自治体のゴミ収集車としても知られていますが、産業廃棄物の収集にも利用されます。
運搬中に廃棄物が飛び出さないよう、安全に保たれているため安心です。
なお、水分を含む廃棄物の処理には、汚水タンク付きのパッカー車が使用されることもあります。
コンテナ車
荷台にコンテナを載せた車両で、腐食しない産業廃棄物を一時保管しながら運搬できます。
金属くずやガラスくず、がれき、繊維くずなどがおもな運搬対象です。
コンテナが脱着式であるため、廃棄物の種類や量に応じて効率よく保管・運搬できます。
運搬の頻度を減らすことでコストを抑えられるため、廃棄物を収集してから処理するまでの効率を高められます。
タンクローリー車
大量の液体を運搬するために設計された車両です。
廃油・廃酸・廃アルカリ・汚泥などの液体産業廃棄物を運搬します。
車両のタンクは、液体が漏れないよう安全に設計されています。
そのため、ドラム缶では運びきれない大量の液体を安全に輸送可能です。
化学工場や石油精製施設のような、液体産業廃棄物が大量に排出される現場で活躍します。
バキューム車
真空ポンプを使用して液状の汚物を吸い上げて運搬する特殊車両です。
おもに汚泥や浄化槽の汚水、流動体などの吸引に使用されます。
直接タンクに吸い込むことで、効率的に廃棄物を収集できる点が強みです。
汚泥の収集や浄化槽の清掃で活躍し、産業廃棄物の処理において重要な役割を担います。
車両は清掃機能を備えており、作業後のメンテナンスも容易に行えるよう設計されています。
チップ車
おがくずや木片などのウッドチップを運ぶために設計された車両です。
車両の荷台は深く上部に屋根がないため、チップを積み込みやすい構造です。
飛散を防ぐため、ネットや開閉式の屋根を備えているタイプもあります。
木材関連の産業廃棄物を運搬する際に使用され、とくに造園業や製材業での利用が一般的です。
効率的な積み込みと運搬が可能で、作業の安全性も確保されています。
産業廃棄物収集運搬容器の種類
産業廃棄物の収集運搬には、廃棄物の性質に適した容器を使用することが重要です。
廃棄物処理法にも明記されているように、適切な容器選びは安全性と効率性を確保するための基本です。
ここでは、代表的な容器の種類と特徴を紹介します。
容器の種類 | 特徴 | 使用例 |
ドラム缶 |
|
廃油、燃え殻、金属くず |
プラスチックドラム |
|
廃アルカリ、廃酸 |
フレキシブルコンテナ |
|
がれき、紙くず、廃プラスチック類 |
コンテナ車両のコンテナ |
|
金属くず、ガラスくず、陶磁器くず |
石油缶 | ブリキ製で容量約18リットル | 石油、クリーニング溶剤 |
感染性廃棄物容器 | 医療機関で使用される容器で、感染のリスクを抑えるためにバイオハザードマーク付き | 血液付着ガーゼ、注射針、包帯 |
これらの容器は産業廃棄物の特性に応じて設計されており、安全で効果的な運搬を実現します。
参考:環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」
産業廃棄物収集運搬車の義務
廃棄物の適切な処理と環境保護を目的として、産業廃棄物を運搬する車両には法令に基づいた義務が課されています。
おもな義務に、以下2つがあります。
・車両への表示義務
・書類の携帯義務
これらの義務を理解し遵守することで、適正な廃棄物処理が可能です。
車両への表示義務
産業廃棄物を運搬する車両には、両側面に明確な表示を行うことが求められます。
表示内容は、運搬者の種類によって以下のように異なります。
運搬者の種類 | 表示内容 |
排出事業者が自ら運搬する場合 |
|
収集運搬業者が委託を受けて運搬する場合 |
|
鮮明で識別しやすい色合いで表示し、原則として印刷された文字を使用します。
マグネットシートによる表示も許可されており、運搬時のみ貼付することで運用の柔軟性の確保が可能です。
このように表示義務を守ることで、運搬中の車両が適正な廃棄物処理を行っていることを第三者に確認してもらえます。
書類の携帯義務
産業廃棄物を運搬する際には、関連情報を記載した書類を車両に携帯することが義務付けられています。
運搬者の種類による書類内容の違いを、以下にまとめました。
運搬者の種類 | 必要な書類 |
排出事業者が自ら運搬する場合 |
|
収集運搬業者が委託を受けて運搬する場合 |
|
電子マニフェストを使用する場合 |
|
書類は紙媒体のほか電子機器での携帯も可能です。
しかし、電波状況により電子情報が確認できない場合があるため、紙媒体の携帯を推奨します。
これらの書類の携帯を義務化することで、運搬する廃棄物の詳細情報を常に確認でき、不適正処理の抑制につながります。
産業廃棄物収集運搬車の義務を理解したうえで、正しく処理しましょう
産業廃棄物収集運搬車への表示義務や書類携帯義務は、廃棄物が適正に管理されていることを確認するための重要な手段です。
産業廃棄物収集運搬車はさまざまな種類がありますが、いずれの車両も義務遵守は不可欠です。
これらを徹底し、廃棄物の不法投棄を防ぐための取り組みを心がけましょう。
また、廃棄物処理を委託する際には、信頼できる業者選びが重要です。
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産業廃棄物と建設廃材の処理・回収ならリビスタ
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