第13号廃棄物とは?定義や処理方法を解説

2025年06月27日

更新日: 2025年06月27日

産業廃棄物の中には、従来の分類に当てはまらない特殊な処理物があります。
それらは「第13号廃棄物」として法律で独自に定義されており、取り扱いには注意が必要です。

本記事では、第13号廃棄物の定義や制度が設けられた背景、処理方法を解説します。
第13号廃棄物の扱いに不安がある方や、適切な処理方法を確認したい方は参考にしてください。

第13号廃棄物とは

産業廃棄物の中でも中間処理後に、ほかの19種に分類できないものを指すカテゴリーです。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」に定義されており、コンクリートで固化された有害汚泥や、ばいじんなどが該当します。
ただし、すべての固化物が自動的に第13号廃棄物となるわけではありません。
処理後の状態が19種いずれにも該当しないことが条件となっており、分類の判断には注意が必要です。

産業廃棄物として扱われていた素材であっても、処理後の形状や性質によって既存の分類に当てはまらないことがあります。
そのようなケースでは、第13号として個別に区分される仕組みです。

環境への影響を抑え、不適切な処理を防ぐためにも、法律で明確な定義が定められています。

第13号廃棄物が定義された理由

第13号廃棄物という区分が新たに設けられたのは、既存の19種類の分類では対応できない中間処理物が現場で多く発生していたためです。

汚泥やばいじんを固化処理した場合、物質は原形をとどめず、従来の分類には当てはまりません。
とはいえ、処理の過程を経ても産業廃棄物であることに変わりはなく、引き続き適切な管理が求められます。

このように、産業廃棄物であるにもかかわらず、具体的な品目として分類できない処理物に対応する必要がありました。
そのため、法制度上13番目の分類として、第13号廃棄物が正式に定められました。

産業廃棄物の種類

産業廃棄物は大きく2つに分けられます。
これらは法令で19種に分類されており、それぞれ具体例が定められています。
おもな種類は、下記のとおりです。

事業活動全般から発生する産業廃棄物 特定業種から発生する産業廃棄物
  • ・燃えがら
  • ・汚泥
  • ・廃油
  • ・廃酸
  • ・廃アルカリ
  • ・廃プラスチック類
  • ・ゴムくず
  • ・金属くず
  • ・ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず
  • ・鉱さい
  • ・がれき類
  • ・ばいじん
  • ・紙くず
  • ・木くず
  • ・繊維くず
  • ・動植物性残さ
  • ・動物系固形物
  • ・ふん尿
  • ・死体

参考:廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令

第13号廃棄物は、これらの産廃を中間処理したうえで、既存19種に該当しなくなったものを対象とします。

第13号廃棄物に該当する具体的な事例

第13号廃棄物には、明確な定義があるものの、実際に該当するケースは限られています。
ここでは、下記2つの事例を紹介します。

・コンクリート固化物
・肉骨粉(狂牛病問題)

詳しく見ていきましょう。

コンクリート固化物

汚泥やばいじんなどの産業廃棄物にセメントや凝固材を加えて固め、中間処理を施したものです。
この処理によって性状が大きく変わり、元の「汚泥」や「ばいじん」の区分に当てはまらなくなります。

しかし、もともとの廃棄物は産業由来であり、一般廃棄物として扱うのは不適切です。
そのため、廃棄物処理法施行令で第13号廃棄物として新たに定義されました。

処分には、管理型最終処分場の利用が原則とされています。
環境への影響を最小限に抑えるため、13号分析など厳しい安全基準を満たす必要があります。

肉骨粉(狂牛病問題)

肉骨粉は、牛の骨や内臓などを粉砕・加熱処理して作られる副産物で、かつては飼料として広く利用されていました。
しかし、2000年代初頭に発生した狂牛病問題で、死亡牛や廃せき柱由来の肉骨粉が社会問題化しました。

環境省は「産業廃棄物である牛の死体を処分するために処理したもの」と位置付け、第13号廃棄物に指定。
一般廃棄物と誤認されることのないように、特別な管理が必要とされています。

第13号廃棄物の処理方法

ここでは、13号廃棄物の処理方法を解説します。

1.適切な分別と保管方法
2.収集運搬業者への引き渡し手順
3.中間処理の方法
4.管理型最終処分場での埋め立て処理

それぞれチェックしましょう。

1.適切な分別と保管方法

コンクリート固化物などの処理物でも、分類を誤ると処理ルートが適正でなくなり、法令違反に発展するおそれがあります。
そのため13号廃棄物は、一般的な産業廃棄物とは明確に区別したうえで、分別・保管を行うことが重要です。

保管場所は、雨水の流入や混入を防ぐ構造とし、漏れや崩壊のリスクを最小限に抑える必要があります。
保管ラベルの表示や帳簿による管理を徹底し、廃棄物の種類・数量を正確に把握できる状態を維持しましょう。

運搬や処分に支障が出ないように、保管段階から計画的な対応が求められます。

2.収集運搬業者への引き渡し手順

第13号廃棄物を収集運搬する際は、都道府県知事や政令市長から13号廃棄物の取り扱い許可を受けた業者に限定されます。
まずは委託契約書を締結し、マニフェスト(産業廃棄物管理票)で廃棄物の内容や数量を正確に記録することが必須です。

マニフェストには「13号該当物」である旨を明記し、品目の取り違えを防ぎます。
外装の破損や内容物の漏れがないか事前に確認し、運搬中の飛散・流出を防止する措置を徹底しましょう。

3.中間処理の方法

中間処理は、13号廃棄物を最終処分場に適合させるための重要な工程です。
処理方法には脱水・中和・固化などがあり、有害物質を含む廃棄物は環境省告示13号(13号分析)に基づく基準を満たす必要があります。

汚泥に含まれる重金属類を封じ込めるために、セメント固化が行われるケースが代表的です。
処理後の廃棄物は13号廃棄物として再分類され、次の処分段階に引き渡されます。
ただし処理内容によって、ほかの分類に該当する場合もあり、一律に13号とされるわけではありません。

不適切な中間処理は、環境リスクや行政指導の対象となるため、厳格な対応が必要です。

4.管理型最終処分場での埋め立て処理

第13号廃棄物の最終処分は、原則として管理型最終処分場での埋め立てによって行われます。
処分場では、二重遮水構造や浸出液の処理施設が整備されており、有害物質が地下水などに流出しないように管理されています。

埋立処分には、事前に13号分析で基準を満たしていることが条件です。
条件を満たさない場合は、遮断型処分場での処分が検討されます。

環境への影響を最小限に抑えるためにも、厳格な基準に従った対応が求められる工程です。

まとめ:第13号廃棄物の処理方法を確認し、法令遵守を徹底しよう

第13号廃棄物は、通常の産業廃棄物とは異なり、中間処理後に既存の19種類に当てはまらない特殊な性質を持ちます。
処理の際には、分類の正確さや管理の厳格さが求められ、法令に沿った適切な対応が不可欠です。

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