産業廃棄物の分別は、環境保護のために欠かせません。
正しい分別により資源の再利用が進み、廃棄物の量を減らせるためです。
この記事では、一般廃棄物と産業廃棄物の具体的な例を提示し、産業廃棄物を分別するためのコツを解説します。
また、産業廃棄物の処理手順や分別が難しい廃棄物にも触れ、委託先に必要な許可も説明します。
廃棄物管理に関心のある方は、参考にしてください。
一般廃棄物と産業廃棄物の具体例
廃棄物の性質や排出元によって、一般廃棄物と産業廃棄物の2つに分類されます。
また、一般廃棄物には家庭から出るものと、事業活動から出る事務系一般廃棄物があります。
一方、産業廃棄物は特定の事業活動によって排出されるものです。
ここでは、以下2つを説明します。
・事務系一般廃棄物
・産業廃棄物
具体例を見ていきましょう。
事務系一般廃棄物
オフィスや店舗などの事業活動から生じるごみを指します。
家庭から出る一般廃棄物とは異なり、事業活動に伴う紙くずや梱包材などが含まれます。
以下の表に例をまとめました。
種類 | 具体例 |
可燃ごみ | 紙くず、段ボール、木くず |
不燃ごみ | ガラス、陶磁器、金属製品 |
粗大ごみ | 机、椅子、キャビネット |
これらは市区町村が処理を担うため、各自治体の指示に従って適切に処理しましょう。
産業廃棄物
製造業や建設業など、特定の事業活動によって排出される廃棄物です。
一般廃棄物とは異なり、処理は排出事業者が責任をもちます。
具体例は、以下のとおりです。
区分 | 種類 | 具体例 |
あらゆる事業活動に伴うもの | 廃プラスチック類 | 合成樹脂くず、ビニールシートくず |
金属くず | 鉄くず、アルミニウムくず | |
ガラスくず、コンクリートくず | 廃ガラス、コンクリート破片 | |
汚泥 | 排水処理で生じた泥状物 | |
特定の事業活動に伴うもの | 紙くず | 建設業から排出される紙くず |
木くず | 木材加工業から排出される木材片 | |
動植物性残さ | 食料品製造業から生じる野菜くず |
産業廃棄物は法律で20種類に分類されており、それぞれの性質に応じた処理が必要です。
とくに、有害物質を含む場合は特別管理産業廃棄物として厳重な管理が求められます。
産業廃棄物を正しく分別する4つのコツ
産業廃棄物の分別は環境保護に欠かせません。
しかし、どのように進めればよいか迷う方も多いでしょう。
ここでは、以下4つのコツを解説します。
・誰でも分別しやすいよう見た目を工夫する
・産業廃棄物が出たらすぐに分別する
・質問窓口を設ける
・周知を徹底し、全員で取り組む
分別をスムーズに進めるために実践しましょう。
誰でも分別しやすいよう見た目を工夫する
スムーズに分別するには、見た目で分かる工夫が大切です。
たとえば、廃棄物の種類ごとに色分けしたごみ箱を用意しましょう。
ラベルを貼って、どこに何を捨てるか明確であることも重要です。
また、廃棄物の発生量や再利用できるものの情報を掲示すると、従業員の意識を高められます。
実際の廃棄物や再利用品の写真を提示し、正しい分別の例を示すのも効果的です。このように、視覚的情報の提供により、全員が正しい分別を習慣化できます。
産業廃棄物が出たらすぐに分別する
廃棄物を放置せず、その場で分別することで混乱を防ぎ手間を減らせます。
廃棄物が溜まると、あとでまとめて分別する際に時間がかかり、誤って分別してしまう可能性が高まるためです。
毎日少しずつ取り組むことで、作業が習慣化し全体の負担が軽減されます。
初めは面倒に感じるかもしれませんが、こまめな作業が日常の一部となり、効率化につながります。
職場全体で分別のルールを共有し、各自が実行すると、廃棄物管理の精度が向上し環境への負荷を減らすことが可能です。
また、定期的なチェックリストや分別ガイドラインの作成も、組織全体でスムーズに取り組むために有効です。
質問窓口を設ける
分別に関する疑問が生じた際、社内チャットやメールですぐに相談できる窓口があると安心です。
この場合、社内の担当者を明確にしておくことも欠かせません。
AIチャットボットの活用により、24時間いつでも自動で質問に答える体制が整います。
AIチャットボットは、よくある質問への回答や分別方法のガイドを即座に提示してくれます。
定期的に質問内容を分析し、よくある疑問をまとめたFAQを作成すると、より効率的に対応できるでしょう。
全社的に取り組む
全社的に分別を徹底するためには、リサイクルの重要性を共有する文書の配布から始めましょう。
リサイクルが環境に与えるプラスの影響や、具体的な分別方法を分かりやすく記載すると効果的です。
また、社内意識向上のため、定期的な説明会やワークショップを開催するのもよい手段です。
成功事例を共有すると、ほかの部署でも同様の取り組みが広がることが期待できるでしょう。
さらに、部署ごとに改善策を話し合う機会を設け、具体的なアクションプランを策定するのもおすすめです。
これにより、社員一人ひとりが分別の意義を理解し、自らの行動に責任をもつことにつながります。
産業廃棄物を処理する5つの手順
産業廃棄物の処理は、環境保護と法令遵守のために正確な手順が求められます。
ここでは、廃棄物の分別から最終処分まで5つの手順を解説します。
1.分別し、保管する
2.収集し、運搬する
3.積み替えし、保管する
4.再生する
5.最終処分する
最終処分までの段取りを理解することで、廃棄物をより効率的に管理できるでしょう。
1.分別し、保管する
廃棄物を「廃プラスチック類」「金属くず」「廃油」などに分け、それぞれの種類に応じて保管します。
たとえば、廃油は専用の密閉容器に入れて漏れを防ぎ、金属くずは錆びないように乾燥した場所で管理してください。
混合廃棄物の場合は、まとめて保管しなければならないため、注意が必要です。
保管場所には囲いを設け、看板を設置して明確に示しましょう。
これにより、廃棄物がほかのごみと混ざらないように配慮できます。
2.収集し、運搬する
分別された廃棄物は、許可を受けた収集運搬業者によって処分場へと運ばれます。
廃棄物を運搬するには自治体の許可が必要で、無許可の業者に委託すると法律違反となるため気を付けてください。
廃棄物が適切に処理されるためには、業者選定は不可欠です。
安全にかつ効率的に運搬されるよう、業者は慎重に選びましょう。
信頼できる業者は、廃プラスチック類を専用のトラックで運び、破損や流出を防いでくれます。
3.積み替えし、保管する
収集運搬の途中で廃棄物を別の車両に積み替え、一時的に保管することがあります。
これを「積み替え保管」と呼び、飛散や流出を防ぐための対策が必要です。
積み替え保管を行う際も収集運搬業許可が必要です。
たとえば、積み替え時に専用のシートを使用して、廃棄物の飛散を防ぎます。
これにより、廃棄物が安全かつ効率的に管理されます。
4.再生する
廃棄物の多くは再生処理を受け、リサイクルされます。再生方法には、以下3つがあげられます。
リサイクル方法 | 方法 | 具体例 |
マテリアルリサイクル | 原材料として再利用する | ペットボトルを粉砕してペレット化し、新しいペットボトルや衣類の原料に再利用する |
アルミ缶を溶かして新しいアルミ製品や缶の材料として活用する | ||
ケミカルリサイクル | 化学的処理を行う | 廃プラスチック類を化学的に分解し、合成ガソリンや化学製品の原材料にする |
廃タイヤを化学処理して合成ゴムの原材料に変換する | ||
サーマルリサイクル | 熱を回収する | 廃木材を焼却して熱を回収し、発電や地域暖房に利用する |
廃油を燃料として燃焼し、工場のボイラーでエネルギーを生成する |
これらの方法によって廃棄物を資源として再活用し、環境負荷を軽減できます。
5.最終処分する
再生処理ができなかった廃棄物は、最終処分場へ運ばれて埋め立てられることが一般的です。
最終処分場の新設は住民の反対もあり難しいため、埋め立て容量が限界を迎える可能性があることが問題視されています。
環境省の報告によると、現在の最終処分場はあと23.5年でいっぱいになるとされています。
そのため、最終処分に回る廃棄物を減らす努力が不可欠です。
リサイクルを徹底し、廃棄物を資源として最大限に活用することで処分場への負担を軽減する取り組みが求められています。
企業や個人が協力して廃棄物削減に努めることで、持続可能な社会を目指しましょう。
参考:環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和3年度)について」
分別を間違いやすい産業廃棄物
産業廃棄物の分別は、排出される条件によって異なるため、間違えやすいことがあります。
特定の業種で排出される場合のみ産業廃棄物として扱われることがあるため、注意が必要です。
ここでは、分別を間違えやすい例をいくつか紹介します。
廃棄物の種類 | 産業廃棄物として扱われる条件 | 一般廃棄物として扱われる条件 |
紙くず | 建設業、パルプ製造業、新聞業などから排出される場合 | オフィスで出たコピー用紙のごみ |
ゴムくず | 生ゴムや天然ゴムくず | 廃タイヤ(廃プラスチック類として扱われる) |
木くず | 建設業や木材製造業から排出される場合 | オフィスから排出された木製デスクや家具 |
繊維くず | 天然繊維くず(建設業関連) | 合成繊維(廃プラスチック類として扱われる) |
動植物性残さ | 食品工場から排出された野菜くずなど | 飲食店から出たいわゆる生ごみ、農業から出た稲わらなど |
誤った分別を避けるためには、常に最新の情報を確認し、必要に応じて専門家や自治体の指示を仰ぐことが重要です。
廃棄物の委託先には許可が必要
分別を正確にしても、無許可の業者に廃棄を依頼してしまうと法律違反となるため注意が必要です。
廃棄物を適切に処理するためには、委託先が適切な許可をもっていることが必須です。
ここでは、一般廃棄物と産業廃棄物の許可の違いを説明します。
・一般廃棄物の場合
・産業廃棄物の場合
委託を考えている方は、チェックしましょう。
一般廃棄物の場合
一般廃棄物の処理を行うためには、市区町村が発行する「一般廃棄物処理業許可」が必要です。
この許可は、市区町村が処理できない場合に限り、事業者に対して発行されます。
近年、リサイクルやリユースが進んでいるため、多くの市区町村では処理能力が十分で、新規の許可が難しい状況です。そのため、一般廃棄物を扱う新規事業者の参入は制限されています。
ただし、家電リサイクル法に規定された場合や、自社運搬が認められるケースもあるため、詳細は自治体に確認しましょう。
産業廃棄物の場合
産業廃棄物の処理には、都道府県知事や政令指定都市の市長が発行する「産業廃棄物処分業許可」や「産業廃棄物収集運搬業許可」が必要です。
これらの許可は、処理業務を安全かつ適正に行うための施設や能力を有する事業者に対して発行されます。
委託する際には、必ず許可をもつ業者に依頼し契約書を締結しましょう。
排出時にはマニフェストを発行し、廃棄物がどのように処理されるかを追跡・管理します。
これにより、法律に基づいた適正な廃棄物処理が実現します。
産業廃棄物の処分は、正しい分別方法を理解したうえで取り組みましょう
環境保護と法令遵守のために、適切に産業廃棄物を分別し処分することが重要です。
これにより、リサイクルが促進され最終処分場への負担を軽減できます。
分別したあとは、許可のある業者に委託しましょう。
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