産業廃棄物の安定型とは?対象品目や処分方法、注意点を解説

2025年06月25日

更新日: 2025年07月17日

産業廃棄物の中でも「安定型」に分類される廃棄物は、水や化学物質に反応せず、環境への影響が少ない種類です。

処分方法や対象品目には明確な基準があり、適切な処理には基礎知識が欠かせません。

本記事では、安定型産業廃棄物の定義や処理の流れ、依頼時の注意点を詳しく解説します。

適正処理を行ううえでの判断材料として、参考にしてください。

産業廃棄物における安定型とは

安定型とは産業廃棄物の中でも化学反応を起こしにくく、水に溶け出す成分や有害物質を含まない廃棄物のことを指します。

具体的には、金属くずやガラスくず、コンクリートがらなどが該当します。

腐敗や発酵のおそれがないため、専用の安定型処分場で埋立処理が可能です。

安定型処分場では有害な液体が出にくく、専用の水処理設備が不要のため、処分にかかる費用を抑えやすいでしょう。

安定型産業廃棄物の5品目

安定型産業廃棄物に該当する品目は、以下の5つです。

・ガラスくず
・コンクリートくず
・陶磁器くず
・金属くず
・廃プラスチック類

安定型の5品目に該当していても、汚れ・付着物・混合物の有無によっては安定型処分場で受け入れ不可となる場合もあります。

たとえば、金属くずに付着した油や、廃プラスチックへの可燃物の混入など、安定型廃棄物の基準を満たさないケースです。

そのため、見た目や品目だけで判断しないようにしましょう。

関連記事:金属くずは産業廃棄物?鉄くずとの違いや処理方法を解説

安定型・管理型・遮断型産業廃棄物の違い

以下に「安定型・管理型・遮断型」産業廃棄物の違いを表にまとめました。

特徴 対象廃棄物例 処分場の設備要件
安定型 化学的に安定し、有害物質を含まず水に溶け出さない ・金属くず・ガラスくず・コンクリートがら 浸出水処理設備なし
管理型 有害物質を含む可能性があり、適切な管理が必要 ・汚泥・廃油・燃え殻・ばいじん 浸出水処理設備・遮水シートなどが必要
遮断型 強い毒性や長期的な環境リスクがある ・PCB汚染物・特定有害産業廃棄物 厳重な密閉構造・完全遮断構造が必要

処分方法を誤ると、法令違反や環境汚染につながるおそれがあります。

廃棄物の種類や状態によっては複数区分にまたがるケースもあるため、法令や通知にも目を通しておきましょう。

産業廃棄物の安定型を処理する流れ

安定型産業廃棄物を適正に処理するには、一連の流れの把握が重要です。

ここでは、処理業者へ依頼する際に知っておくべき基本的な5つのステップを解説します。

1.処分対象の確認と事前打ち合わせ
2.マニフェストの作成と搬入準備
3.処分場での受け入れ検査
4.埋立処分の実施
マニフェストの返送と処分報告

それぞれ詳しく見ていきましょう。

処分対象の確認と事前打ち合わせ

処理を依頼する前に、廃棄物が安定型に該当するかを確認します。

具体的には、廃棄物の種類や性状、発生状況などをもとに、処分場が定める受け入れ基準に適合しているかのチェックも必要です。

処分場によっては、廃棄物サンプルの性状分析を行ったうえで受け入れ可否を判断する場合もあります。

処分が確定した段階で、処分業者と日程や搬入方法、必要書類などの打ち合わせを行い、円滑な処理につなげます。

マニフェストの作成と搬入準備

マニフェストとは、産業廃棄物の種類や排出元、運搬業者、処分業者などの情報を記載する管理票です。

安定型産業廃棄物の処理には、搬入前にマニフェストを作成し、処理工程を正確に把握できる状態にしておく必要があります。

あわせて、搬入時に必要な車両の手配や廃棄物の積み込み準備なども進めておくと、当日の作業が円滑になるでしょう。

処分場での受け入れ検査

搬入された廃棄物は、処分場にて内容物の確認や性状検査が行われます。

具体的には、搬入された廃棄物の外観や成分、混入物の有無などをチェックし、安定型に該当するかを現場で判定します。

不適合と判断された場合は受け入れが拒否される場合もあるため、事前の適切な分別と確認が重要です。

埋立処分の実施

受け入れ検査を通過した安定型廃棄物は、安定型処分場にて埋立処理が行われます。

処分場では、あらかじめ区画された埋立エリアに廃棄物を投入し、重機を用いて整地・覆土を行いながら処理が進められます。

なお、安定型産業廃棄物は、有害物質を含まず水に溶け出す成分がないので、浸出水処理設備が不要な処分場で埋立が可能です。

マニフェストの返送と処分報告

産業廃棄物の処分が完了したら、処分業者はマニフェスト(産業廃棄物管理票)のE票を排出事業者へ返送します。

マニフェスト返送により、廃棄物が適切に処理されたことを確認できます。

なお、必要に応じて処分報告書の提出が法令で義務付けられているので、適正処理と追跡管理の整備は欠かせません。

処分後も書類の保管と内容確認を徹底しましょう。

安定型産業廃棄物の処分を業者に依頼する際の4つのポイント

以下の4つのポイントを押さえればトラブルを最小限に抑え、スムーズな廃棄処理が可能となります。

1.処分業者が「安定型」の許可を保有している
2.対象廃棄物の適合性を明確にする
3.マニフェスト管理が適切に行われている
4.処分場の所在地や運搬体制もチェックする

それぞれ解説します。

処分業者が「安定型」の許可を保有している

安定型産業廃棄物は、許可を受けた最終処分場での埋立処理が必要です。

安定型の許可は都道府県の自治体から交付され、無許可の業者に依頼すると、処分が不法投棄とみなされる可能性もあります。

信頼できる業者かを判断するうえで、許可証の確認は必須です。

なお、許可証は「産業廃棄物処理業者情報検索サイト(JWNET)」などの公的データベースでも確認できます。

対象廃棄物の適合性を明確にする

処分場では、受け入れ可否の判断材料として「成分分析表」の提出を求められることもあります。

とくに、見た目では判断が難しい場合や、異なる廃棄物が混在している場合には、第三者機関による検査結果が必要です。

現場での保管状況や搬入時の状態が処分場での検査に影響を与える場合もあるため、清掃や分別の徹底も重要です。

マニフェスト管理が適切に行われている

産業廃棄物の処理では、マニフェストによる処理状況の追跡管理が義務付けられています。

マニフェストの交付・回収においてミスがないよう、信頼できる業者は記録管理を徹底しています。

万が一のトラブル時にも追跡確認ができるため、マニフェスト管理の精度は業者選定の重要な判断基準です。

処分場の所在地や運搬体制もチェックする

安定型産業廃棄物の処理を委託する際は、処分場の所在地や運搬ルート、運搬体制なども重要な確認項目です。

処分場までの距離が遠い場合は輸送コストが増加する可能性もあるため、立地条件は処理コストに直結します。

事前に運搬車両の種類や保有台数、緊急時の対応体制なども確認しておくと安心です。

まとめ|安定型産業廃棄物はルールを守って適正に処分をする

安定型産業廃棄物は、処分のしやすさやコスト面でのメリットがある一方で、対象品目や処分方法が明確に定められています。

処理工程においては、マニフェスト管理や受け入れ検査などのルールを遵守し、信頼できる許可業者への依頼が重要です。

法令に基づいた適正処理を行えば、環境保全と事業リスクの回避につながるでしょう。

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このコラムの監修者

設楽生人
Narihito Shitara

合同会社LIVISTA代表

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